21.10.31

学校法人化

こどもが毎日社会生活をする環境の重要性

文:長谷川美枝子

寄付募集開始から3か月が経過しました。これまで本当に多くの方々に助けていただいて、この学校法人化プロジェクトを一歩一歩、前へ進めることが出来ることに心より感謝申し上げます。

このプロジェクトはすべて、未来の子どもたちの為にあります。

こどもがこの世に生を受けて、もっとも大切なのは家庭でのあたたかい愛情です。ご家庭での関わり、環境がこどもに大きく影響することは言うまでもありません。

学校は子どもたち一人一人が自分自身の最高に、完全なものに近づけるように、つくられなければなりません――M.モンテッソーリ

そして、そのうえで、こどもには家庭という安全な場所から一歩外に出た「子ども社会」が必要不可欠になります。こどもは子ども社会の中で成長します。

保育園・幼稚園・こども園・認可外保育施設といった、こどもが最初に社会生活をする場所はとても大切な環境になります。この頃のこどもたちは“吸収精神“と呼ばれる発達段階にあり、スポンジが水を吸収するように、身の回りの環境を雰囲気なども全て吸収します。0歳―3歳は無意識的吸収精神、3-6歳の子どもたちは意識的吸収精神と呼ばれる発達段階にいるため、生活環境、こどもたち、教師、自然環境、学びの環境そのすべてをこどもたちは意識的に吸収し、自分の人格形成の土台をつくっていきます。

あるべき園の環境

この場所(園)は

  • 自由に発言できる
  • 思いを伝えあう
  • 秩序ある自由の中で、自立して生活することを援助してもらえる
  • 自分の興味や関心を広げ、思いを達成していくことができる
  • 整った環境で順序だてて物事を考えることを援助してもらえる
  • みんな違って良い。自分は自分で良いこと
  • 自分は役に立っていると感じること
  • 自然の中でたくさんの生き物に出会い、命の不思議や宇宙の不思議、人間も自然の一部であることを感じる

環境であるべきです。

そして、モンテッソーリ教育実践が、一人ひとりのこどもの育ちを援助するのに欠かせない軸になります。

学校法人化プロジェクトは、日本中に子どもたちが喜んで生活できる環境(園)を増やし、子どもを理解し、こどものための環境を整える大人を増やしていくためにあります。

それは今、全世界が抱えている問題、多様性、ジェンダー、環境問題、SDGsにも向き合っていくことになります。

「深草こどもの家」はこどもたちのためのいちばん良い環境を目指し、1979年に設立されました。その環境は時がたっても色あせることなく、むしろ未来へ向けて必要不可欠な場所として存在し続けています。この環境を未来へ繋ぐために、学校法人化しなければなりません。皆様のご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

年少児「かざぐるま、つくって」年中児「いいよ、なにいろがいい?」