16.10.26

園の日常

かざぐるま、つくってくれる?

文:長谷川美枝子

運動会の後から、製作活動で風車作りが始まりました。
風車作りは工程が複雑で、
最後はペンチをつかって針金を巻いたりするので、
年中児と年長児が作れることになっています。
年少児は、風車をもって走る人たちが羨ましくて、
じーっと見つめています。
「ぼくもつくりたい」「わたしもつくりたい」
という年少児には、
「つくってあげようか?」と
大きい人たちが声をかけてくれます。
深草こどもの家は、年少児から年長児までが
1つの部屋で一緒に生活しており、
自由な時間がたっぷりあるので、
どの人がどんなことに困っているのか、
また、困ったときには誰に助けを求めればよいのか、
お互いのことがよーくわかるようになります。
ある日、まだまだ幼い年中児の男の子に
もっと小さい年少児の男の子がお願いしました。
「かざぐるま、つくってくれる?」
年中児の男の子は、驚いたように、
「おれか?おれにつくってほしいのか?」
と聞き返しました。
「つくってほしい」
年少児が答えると、
まだ登園カバンを背負ったままだった年中児は、
「まってな、いま(出席カードに)シールすぐはって、つくってやるからな!」
と言いました。すこし頬が赤くなっています。
大きく息を吸って作り始めた年中児の横に、
年少児が嬉しそうに座ります。
「なにいろがすきなん?」
何度も聞いてあげながら、風車が完成しました!
昨日自分のために作ったときよりも、テキパキと作っています。
完成した風車を手に、年少児は大喜びで園庭へかけていきました。
作ってあげた年中児は、ぐっとお兄さんの顔をして
走っていく年少児を見つめていました。
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