22.01.05

学校法人化

子どもに真の意味で奉仕出来る先生を育ててくれるところは、ここしかない

文:板東光子 (亀田平和の園保育園園長 新潟、京都コーススタッフ、学校法人設立準備会メンバー )

モンテッソーリ教育との出会い

今から50年以上前のこと。こどもを自由に遊ばせる3歳児クラスにいた時です。「善福寺こどものいえ」(まだ開設前でしたが)をたまたま見学する機会にめぐまれました。そしてその環境の豊かさにびっくりしました。翌年の4月には、モンテッソーリ教育に関する教員養成コースが開設されることを知り、まだ幼稚園の免許も保育士の免許もないままに、入学を志願しました。(日本で最初のコース、上智大学内にあった上智モンテッソーリ教員養成コース)

入学試験では赤羽先生が“あなたは、どのようにしてモンテッソーリ教育を実践しますか”と聞かれたことを、今でも覚えています。赤羽先生は何とかして日本にモンテッソーリ教育を根付かせたいとの強い願望を持っておられたのです。
それが赤羽先生にお目にかかった最初です。

昼間は幼稚園で働き、夜間 月・水・金とコースに通いました。
実習は当時赤羽先生のいた「梅田子どもの家」でしたが、幸いに私の職場からは地下鉄一本で行けました。コース卒業と同時に、夫の就職にともなって、関西に移り住みました。
赤羽先生も富山大学へ移り、京都でコースを開かれるようになりました。何もかも、不思議なご縁に導かれたように思います。

子どもの心を深く知り、子どもに本当の自由を与えようとするコース

子どもとの実践がまだ十分でないうちに、「感覚」と「数」をコースで担当するようになりました。
赤羽先生の周りには、子どもが大好きで子どもの心を深く理解できる大人が集まってきました。
長崎のシスター長澤、熊本のシスター細井・高田先生、富山の山本先生・岡部先生、福井の海道先生、京都の岡山先生…。私はそうした方々から沢山の刺激をいただきました。
いつの間にか、日本にもモンテッソーリ教育のためのコースがいくつか誕生しましたが、子どもの心を深く知り、子どもに本当の自由を与えようとするコースは、「京都コース」が一番と思うようになりました。“自由と規律”…初めからあるのではなく、徐々に作られていくものである…赤羽先生を通してモンテッソーリ教育を学べて、本当に幸いだと思います。

法人化されることの大切さ

今、「深草こどもの家」もようやく法人化されようとしています。
私は20年ほど前に「社会福祉法人 亀田平和の園保育園」に携わるようになり、初めて法人化されることの大切さを学びました。
今後「深草こどもの家」が末永く「モンテッソーリ教育を深く知り、子どものための先生を育ててくれること」を切に願っています。

私のおります新潟は京都からは本当に遠いのですが、子どもに真の意味で奉仕出来る先生を育ててくれるところは、ここしかないと思い、これからも新しい職員を送り続けるつもりです。

実習生は、保育室の2階から子ども達の様子をじっくり観察できます

感覚教具ー色板