17.08.31

園の日常

<自分で決める3>

文:長谷川美枝子

深草こどもの家では、年少児だけはおなかがすいたら、自分で準備をした人から先に食べていいことになっています。10時すぎると早起きしている子はいつも「おなかすいた!」と部屋に戻ってきて、排泄をすませ、手を石鹸でよく洗い、机を台拭きで拭いて、花を飾り、、、と着々と準備をして食べはじめます。

今日も一人が「おべんとうおべんとう!」と言いながら戻ってきました。その様子を見ていた年少児のAちゃんは「なんか…わたしもおなかすいちゃったわ!」といって、準備をはじめました。するとBちゃんが言いました。「Aちゃん、わたしといっしょにたべるんじゃなかった?」するとAちゃんは「うん!さきにたべてるからきてね!」とBちゃんにこたえました。

さて、あとからBちゃんもやってきて、Aちゃんと一緒にお弁当を食べ始めました。しばらくして、先に食べ始めたAちゃんが食べ終わり、お弁当を片付けて机を拭き、椅子を運ぼうとしました。するとBちゃんがいいました。「まだいったらダメ。ここで、まってて。」Aちゃんは、Bちゃんの横に立ちましたが、眉毛はハの字に下がっています。「わたし、はやくあそびたいの」とAちゃん。「だめよ、いっしょにいくからまっててほしいの」とBちゃん。AちゃんはBちゃんの横でさっきよりも眉毛がもっと下がり、口をとがらせています。

 先生が「どうしたの?」と聞くと、Aちゃんは「Bちゃんがまっててっていうから、まっているんだけど…」と泣きそうになりました。そこで先生は言いました。「自分のことは自分で決めていいんだよ。AちゃんのことはAちゃんが決めるし、BちゃんのことはBちゃんが決めていいんだよ。待っててあげるって決めるのも自分だし、先にいくねって決めるのも自分でしていいんだよ。でも他の人のことは決められないの。」

 Aちゃんはすこし考えてから言いました。「わたし、さきにいっているから、あとからきてね!」Bちゃんもいいました。「うん!わかったわ!」二人とも笑顔ですごしました。

引用元:https://www.facebook.com/fukakusakodomonoie/posts/734138740107601/