21.05.16

園の日常

いちご

文:長谷川 美枝子

5月はいちごの季節。

赤くなった実はとって食べて良いことになっています。

年少児…

まだ白い実を取ってしまいました。

「赤くなっているのは美味しいけど、白いのはまだ食べられないのよ」と伝えると、取ってしまった白い実をポイっと投げて行ってしまいました。

年中児…

二人の男の子が一つだけあった赤い実を二人で嬉しそうに持ってきて
「ぼくたちふたりでいっしょにたべるんだよ!」と言いました。
包丁を出してもらって半分に切っています。
そこへもう一人がきて、「ぼくもたべたいな」と言いました。
ふたりは「うん、いいよ!いっしょにたべよう!」と言いました。
こんな小さな実なのに、なんて気前の良い!と思っていると、しばらくしたら年中児一人が泣いていました。
「どうしたの?」と聞くと、「ぼくのいちごがなかったんだよ」と。

「あの、ぼくたちがたべたらなくなっちゃったんだ…」半分に切ったので足りなかったのだそうです。

年長児…

一人の年長児が赤いいちごを一つ大切そうに持ってきました。
「たべていいんだよ」と言うと、
「〇くんと、●ちゃんがきたら、いっしょにたべるんだ」と言います。
分け合う気持ちって素敵だなあと思っていたその日の昼前、その子が静かに泣いていました。
「どうしたの?」と聞くと、「ぼくがあげるっていったら、ありがとうってたべちゃったんだ」相手には分けるということが伝わっていなかったようです。
「ごめんね。こんどみつけたら、あげる…」食べてしまった子が謝っています。
次の日。昨日の年長児は赤くなった実を3つ見つけてきて、また言いました。
「○くんと、●ちゃんと、ぼくとで、ひとつずつたべるんだ!」

お弁当の後のデザートにして3人は一つずつ嬉しそうに食べていました。

いちごは赤い実が増えてきました。
明日もまた新しいドラマが展開することでしょう。
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