17.07.14

園の日常

心を育てる教育

文:長谷川美枝子

数か月ほど前の春休みのことです。4月から新中学一年生になる卒園児たちと保護者の方々が同窓会を企画し、遊びにきてくれました。なんと、一人もかけることなく、全員出席!!
こんなに嬉しいことはありません。はじめは照れてモジモジしていた卒園生たちも、一人が「警ドロしよ!」と言って始めると、全員が久しぶりの園庭を元気に走っていました。
一人の保護者の方が、お話ししてくださいました。
「先生、モンテッソーリ教育は心を育てる教育ですよね。この子が在園している時にはわからなかったこと、気が付かなかったことが、卒園してから、よくわかるんです。
ここでは色々なことをさせてもらえて、好きなだけ取り組めて、文字や数や色々なことを教えてもらえるけれど、先生たちはいつも『出来るようになることが目的じゃないんですよ』とおっしゃっていたんです。在園中は実はあまりよくわかっていなかったのですが、卒園してからこどもの成長をみて、「あぁ、先生たちはこどもの心を育ててくださっていたんだ」って、やっとわかったんです。
でも、同じモンテッソーリ教育をうたっているところでも、全然違う話をききます。素敵な作品を持って帰ること、見栄えがよいこと、何歳までにこれくらい出来るとよいとか、親の望みがそちらに傾いていて、先生たちがそれに合わせてしまう、、、こどもがいかに楽しんでそれに取り組んでいたのか、という大事なことが抜けていては、息が詰まってしまいます。」

 

素敵なお母さまだなぁ!と思いました。こんなに理解のある保護者に恵まれて深草こどもの家は幸せです。本当にその通りです。自分で好きなだけ取り組んで、面白いなぁ!楽しいなぁ!もっとやってみたい!と思う気持ちこそが生きる力につながっていきます。誰かの顔色をみて過ごしたり、自分の意志を使う時間がなかったりでは息が詰まってしまいます。

この日、こどもたちはおやつを食べた後、今日の同窓会の感想を書いてくれました。「〇〇を頑張っています。中学生になったらこんなことをしたいです」「今日はみんなに会えて嬉しかったです。これからもご支援よろしくおねがいします」「きょうは6年間のなかで一番楽しかったです」など、それぞれの思いを書き残してくれました。

それから名残惜しそうにホールにあつまり、「あいうえおのうた」を歌いたい!と言いました。「あいうえおのうた」は年長児が最後の音楽会で保護者と教師と一緒に三部合唱した歌です。なつかしく思い出したのでしょうか。それから、年少の頃から歌っていた「月日曜日の歌」もうたって、解散しました。(どちらの曲も赤羽惠子先生とご主人の篠原眞さんが協力してこどもたちのために作った歌です)

大きくなったみんなに会えて本当に嬉しかったです。

引用元;
https://www.facebook.com/fukakusakodomonoie/posts/680947225426753