20.10.21

園の日常

すごろく

文:長谷川美枝子

季節外れではありますが、雨の日に走り回ることもできず、うずうずしている年中児とすごろくをつくりました。メタルインセット(鉄製はめこみ)の枠を利用して、スタートからゴールまで、書いていきます。それから、嬉しいことが起こる場所と残念なことが起こる場所を書き込んでいきました。

「いいことは何にする?」
「おかあさんにほめられたことにする!」

こどもはやっぱり、お母さんを喜ばせることが、一番のいい出来事なのですね。

「何をして褒められたの?」
「おてつだいをいっぱいしたから!」
残念なことは定番の「おとしあなにおちて振り出しにもどる」にしました。コマは折り紙でつくる指人形にしました。
作っているうちに年長児や色々なひとが集まってきて、すごろくが完成するとゲームが始まりました。
楽しそうに遊んでいると、年中児Aくんが来ました。
「いれて」
「ダメ」すごろくをつくった年中児Bくんがいいました。
「どうしてダメなの?」

「だって、おともだちじゃないから」

たしかに、BくんはAくんに年少児のころに嫌なことをされたことがあったようで、何かにつけてそのことをAくんに訴え、Aくんのことを「おともだちじゃない」といっていました。それがBくんはずっと悲しかったようです。

「ふんだ!Bくんとはいっしょうあそばへん!」

Aくんはそれでも、仲間に入りたくてそばをウロウロしています。

「どうしたら、お友達になれるの?」先生がBくんに聞くと、
「そばをとおるときに、ぼくのあたまをつついたりしなかったらなれる」
とBくんがいいました。
するとAくんは「あー、そっか。。。もう、しない!」といいました。
するとBくんはあっさりと、「じゃあいいよ!」

そういって、一緒にすごろくを楽しみました。

ちょっとしたことから、長い間すれ違っていた二人だったようですが、たくさん笑って、楽しい時間をすごしました。
こどもたちは本当に「許す」ことが上手で、「ともだち」になることが得意です!

特に年中児はこども同志でぶつかり合うことがたくさんありますが、年長児になると不思議とそういうことがぐっと減ります。年中児は友だち関係、人間関係をどう構築していくか、たくさん学んでいる時期なのですね。