15.03.01

園の日常

2月、今年度最後の料理活動

文:長谷川美枝子

2月、今年度最後の料理活動で「お好み焼き」をつくりました。
年長児にとっては最後の料理。これまでの料理活動と違って、グループに分かれて分量を量るところから焼き上げるまでを同じグループで行います。
そこで、料理の前の週にあらかじめ各グループのリーダーを決めることになりました。
「リーダー」とは命令する人ではなく、困っている人がいないか、どう進めたらよいか考え、みんなのために働く人です。
まずリーダーになりたい人を聞くと、その日出席していた年長児全員が手をあげました。
しかし、グループは5つ。一般的な幼稚園ではすぐにジャンケンで決めることが多いようですが、ここは子どもが心をはたらかせる大事な場面です。
年長児の話し合いで決まらなかったので、年中児一人ひとりに意見を聞くことになりました。
誰にリーダーになってもらいたいか。いつも優しくしてくれる人、困ったときに助けてくれた人の名前を年中児一人一人がちゃんと言いました。
年長児はそれを真面目に見つめています。年中児が意見を言う間に、あげていた手をそっと下した年長児もいました。好きな友達の言葉が胸の奥をつかみます。
厳しいですが、年長児にとっては自分の普段の態度を振り返り、内面をみつめる機会になりました。
心をたくさんはたらかせて人間関係を学んでいます。(しょげて帰る日もあると思います。お父さん、お母さんはおうちでぜひ優しくしてあげてくださいね!)
年中児の意見を聞いた後、もう一度年長児が話し合ってリーダーが決まりました。
料理当日はどの子もとても落ち着いて、協力しあい、美味しいお好み焼きができました。あの話し合いの日にそっと手を下ろした年長児がこの日特に成長したように感じました。